五木寛之を読む
〜困難な時代を生きるテキストとして〜
KKベストセラーズ 8月25日刊 1470円
山川健一

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□五木寛之氏との30数年(「イージー・ゴーイング」の記事)
□五木寛之作品公式ブログ
□『五木寛之を読む』「はじめに」より抜粋

もくじ

はじめに 五木寛之を読むヒント

第1章 心の原風景とロマン
『運命の足音』『青春の門』

 『運命の足音』、戦後五十七年封印されてきた悲痛な記憶
 『青春の門』の原風景を探る

第2章 歌から遠く離れて
『さらばモスクワ愚連隊』『海を見ていたジョニー』

 音楽は根本的にポピュラリティを持っている 
 ”差別された”現実に、正当な存在権をあたえた「さらばモスクワ愚連隊」
 「海を見ていたジョニー」で描かれた絶望と希望

第3章 文明批評としての自動車
『雨の日は車をみがいて』『わが憎しみのイカロス』『メルセデスの伝説』『ワルシャワの燕たち』

 五木寛之の自動車をめぐる作品は文明批評でもある 
 『雨の日は車をみがいて』は自動車小説のスタンダードだ
 性のメタファーとしての『わが憎しみのイカロス』
 『メルセデスの伝説』は自動車が素材だが、歴史小説であり政治小説なのだ
 『ワルシャワの燕たち』における五木さんの感覚は、レーサーのように鋭敏だ 

第4章 政治の季節
『わが心のスペイン』『裸の町』『戒厳令の夜』『凍河』

 『わが心のスペイン』は異質でありながらとても重要だ
 スタート地点としての『裸の町』
 『戒厳令の夜』は戦慄することなしには読めない
 『凍河』で描かれた個人の内面的な問題

第5章 現代の語り部の日本幻論、五木史観
『風の王国』『日本人のこころ』

 『風の王国』で五木史観を読む
 時には五木さんとコーヒーを
 『戒厳令の夜』から『風の王国』への鍵はトルストイにあった
 『日本人のこころ』全6巻は国民的な歴史の教科書、必読です!
 
第6章 仏教を超えて
『生きるヒント』『蓮如』『他力』

 実弟の松延邦之氏を失い、二度めの休筆に入った頃
 『生きるヒント』全5巻は新しい出発点だった
 蓮如の物語は先に逝った家族への鎮魂歌なのではないだろうか
 『他力』で、日本史上もっとも深い思想に辿り着いた
 仏教を超えて

 第7章 人生観〜人はみな海に帰る〜
 『大河の一滴』『人生の目的』『運命の足音』

 『大河の一滴』は美しい詩のようだ
 ひりひりするように切羽詰まっていた『人生の目的』

第8章 スピリチュアルな世界への傾斜
『不安の力』『元気』『気の発見』『養生の実技』

 『不安の力』が教える片面だけではない世界
 『元気』で「気」の存在に強い関心を示す
 モノとしての人間が死んだことは、人間のすべてが消滅したことではない
 宗教も思想も歴史も「物語」なのだ
 『気の発見』と『養生の実技/つよいカラダでなく』を実行する

第9章 ホモ・ムーベンスとしての五木寛之
『青年は荒野をめざす』『百寺巡礼』「論楽会」

 『青年は荒野をめざす』を読むと罌粟の実が体にのこる
 『百寺巡礼』のスタートは奈良だった
 一九七九年に渋谷ジアンジアンで始まった「五木寛之論楽会」
 
   あとがき